大嫌いだって愛しい
「妹…」
ボソッと尚也だけに聞こえる声で呟くと
尚也は
まぢ? と小さく言った。
「まぁとりあえず、ここにいてもしょうがねーし、溜まり場行くか?」
ダメ。
それだけはダメ。
「あ『何してんだお前ら』
私が言葉を言いかけた時
門の前に止まった黒塗りの車から優が下りて来た。
「あ?優いまから登校かよ」
「溜まり場行くついでにお前らを迎えに来たんだよ」
私服姿の優をみると
本当にまるっきり学校に来る気がなかった事が分かる、
「ん?そのこ誰?」
優の視線の先には
私の前に突っ立っている妹 さくらの姿