大嫌いだって愛しい
瞳を閉じた瞬間
私の脳裏を横切ったのは優の顔
「こんなにお前が好きなのに、やっぱお前が見てんのは俺じゃねんだよな…」
「多田…」
いつも強い凛魁の総長をこんな顔にさせてるなんて 私最低だ…
「でも俺はお前を諦めねーよ。いつか絶対本当に俺のもんにする」
ニッと笑う彼の表情は
どこまでもカッコよく感じる。
「だから…、少しの間だけ別れてやるよ。俺のもんになるまで少しだけ有余をやる」
「え…有余って、どうゆう意味」
「そのうち分かる。」
それだけいった多田はバイクのキーを片手に持って私をグッと引き寄せキスをした。
「じゃあまたいつか」
それだけ言って部屋を後にした