大嫌いだって愛しい
陸斗君はそっちにゆっくり歩いていくと
「何してるんですか?」
優しい瞳で少し怒ったような口調をだした
本当は怒ってないくせに
彼を一瞬にしてそんな優しい顔にさせてしまう橘先輩に無意味な嫉妬心を覚える。
「…あっ、陸斗ぐうぜーん!!」
なんて言う橘先輩は何故か掴んでいた杉浦先輩の胸ぐらを離した。
「さっきから覗いてるのバレてますよ。」
後ろの方で会話を聞いていた私の事なんて
きっと陸斗君は忘れているんだろう
そう思うと少し悲しくなった。