大嫌いだって愛しい



「な…んで?」




辛そうな顔をした彼に
こんなことを聞くのは間違っているのかもしれない




でも…



聞かないでおくのも何か間違っているような気がしたんだ。





足を止めた陸斗君は私にゆっくり顔を向けると眉を少しだけ下げて





「俺はあの人に救われたんだ。あの日から俺の役目はひかるさんを守る事。友達でも恋人でもなくて、俺はあの人を命がけで守る事なんだ…」





最後にいつもの笑顔を向けた陸斗君は


何事もなかったかのように委員会教室へ足を進めた。




守る事




そう口にした陸斗君はどこか誇らしげに笑っていた気がする



矛盾した彼の感情と表情に



先輩は気づいているのだろうか









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