大嫌いだって愛しい
別に優が来てくれなかった事に
不満なわけじゃない
でも、優は絶対に来てくれる
私は優に大切にされているに違いない。そんな思いを抱いていた自分が
何だかおかしくて
苦笑いが漏れた。
多田はそんな私に気づいていたんだろうか
だから私の頭を撫でたのかな…
あの時見えた多田の顔が
思った以上に優しくて
私は変な気持ちになった。
「ひかるさん平気ですか?」
心配そうに顔を覗かす陸斗を見て
勝手に街へ出た事を後悔した
「お前ふざけんな!!」
呆れたように怒る尚也に
申し訳ない気持ちでいっぱいになった
「二人とも、ごめんね」