大嫌いだって愛しい



別に優が来てくれなかった事に


不満なわけじゃない



でも、優は絶対に来てくれる

私は優に大切にされているに違いない。そんな思いを抱いていた自分が


何だかおかしくて


苦笑いが漏れた。



多田はそんな私に気づいていたんだろうか


だから私の頭を撫でたのかな…


あの時見えた多田の顔が
思った以上に優しくて
私は変な気持ちになった。




「ひかるさん平気ですか?」



心配そうに顔を覗かす陸斗を見て

勝手に街へ出た事を後悔した



「お前ふざけんな!!」



呆れたように怒る尚也に
申し訳ない気持ちでいっぱいになった




「二人とも、ごめんね」




< 82 / 281 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop