大嫌いだって愛しい
「おい田中~ これそっちにはってー」
「文化祭委員どこだよ!?」
「買い出し行って来る~」
いつもの何倍も騒がしい教室を
私は窓側の席に座りながらただ見ていた。
ぶっちゃけ面倒と言えば面倒で
準備に参加したいとは思わない。
優は朝から不在で
尚也はどこかえ行ったきり帰ってこないし…
あいつら絶対サボリだな。
そんな時
チラリと私の視界に
廊下を歩く陸斗が見えた。
「陸斗~!!」
私は椅子に座ったまま
廊下に向かって声を上げる。