怪異
自分は顔を見ようと目を向け、

「あの…あっ!」

声を出そうとしたが、すぐにやめた。

何故ならその人の顔はもはや人ではなかった。

髪の毛はほとんど抜け、目にはもう生きる気力が無くなっていた。

何かを求めるように、台所の方へ向かった。

そして、私は目を疑った。


なんとその人間は、食卓にのっている人間の足の骨をしゃぶり始めた。

私は口を抑えながら、その光景を見るしか出来なかった。

腰が抜けてしまい、動く事すらままならない。

すると、その人間はしゃぶるのをやめ、天井を眺め始めた。
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