怪異

全ての家は長屋を一件ずつ切ったような家だった。

一件目の家の前に来た。

玄関はぼろぼろで、ドアのガラスや窓は割れていた。

木の枠を引き、玄関に入る。

「うわっ!」

いきなり中から、蛾が飛び出した。

言い忘れていたが、私は大の虫ぎらいである。

額の汗を拭い、周りを見渡す。

木が腐ったりしている。

ごくふつうの廃墟以外不思議は感じられない。

奥に入ると、そこには異様な物があった。
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