魅惑のヴァンパイア

驚いて振り向くと、テイル大臣が不気味に微笑んでいた。


「貴様は……」


 聞き知った声だった。


 あの舞踊会の夜に出会った金髪の男の声……。


「ここではなんですから、人のいない所で話しましょう。プリンス……」


 唾をゴクリと飲み込んだ。


早鐘のように鳴る胸を押さえ、覚悟を決めて男の後ろについて行った。
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