魅惑のヴァンパイア
「やぁ子猫ちゃん。元気だったかな?」


 ピーターの顔を見ると、執事よりも明らかに残念そうな気持ちが顔中に広がっていた。


「シャオン様! 走ってくるとは何事ですか!」


 世話焼き好きの小うるさいお局のような執事の言葉に、思わず噴き出してしまった。


「おいおい二人共何だよ。僕を歓迎してくれる人はいないのかい?」


 冗談めかして小言を呟くと、シャオンは慌てて背筋を伸ばした。


「ご、ごめんなさい。もちろん歓迎します。さあどうぞ」


 シャオンはにっこりと笑い、自ら客室に案内した。
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