魅惑のヴァンパイア
どうしよう、私のせいでバドが……。


ごめんなさいと言いたかったのに、バドは最後まで頭を上げなかった。


ヴラドは、心配そうにバドを見つめ続ける私の肩を無理矢理抱き、寝室に連れて行った。


久しぶりに会ったというのに、素直に喜べなかった。


ヴラドの顔が見るのが恐くて、ずっと下を向いていた。


 きっとヴラドは呆れている。


無理矢理抱かれていたのに、愛してしまっていたなんて。


軽蔑するに……決まっている。



 ヴラドは私をベッドに座らせ、自分は椅子に座り、私を正面からじっと見つめた。


「……どうして黙っていた?」
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