魅惑のヴァンパイア
「ようやく、我らの王から、この世界を司る偉大な王になられましたね」


 闇の秘密結社を統率する若き指揮官。


変身が得意なこの人物とは、かつては敵同士であったが、今ではすっかり心を許していた。


「全く、王などただ退屈なだけだ」


 少し酔った体を休めようと、大きな椅子に腰をかけた。


「まさかこんなに早く王になれるとは、わたくし共もヴラド様のお力には驚いています。まさに、王になるために生まれてきた御方……」


 尊敬の眼差しでラシードは見つめた。
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