魅惑のヴァンパイア

「死の呪いは、死界に王自らが行かねばなりません」


「死の国か。どうやって行くんだ？」


「歴代王に代々伝わるルビーの宝石を飲み込み、仮死状態になるのです。そして死界の長に呪いを解いてもらうよう頼みに行くのです。お腹の中の宝石が、あなたが真の王であることの証となり、死の呪いは解かれるでしょう」


「なるほどな。それで、死界からはどうやって帰ればいいんだ？」


「それは……」


ラシードの顔色が変わった。


その変化で、問いの答えを知ってしまった。


想像していたことより、呪いを解く方法は困難であると認めざるを得なかった。


　――要は死ねということか。