魅惑のヴァンパイア
一階に降りると、大きなテーブルに朝食が並べてあった。


色々な種類のパンに、サラダと温かな湯気を出しているスープ。


 バドがナプキンを腕から下げて、暖炉の隣で誇らし気に立っていた。


 ヴラドはもう席についていて、私の姿を見ると、隣に座るように目で合図した。


 こんな風に肩を並べて、食事をとることなんて初めて。


朝の光に照らされているヴラドを見ることも初めて。


 ずっとこんな日が来ることを願っていた。


 ヴラドも妙に上機嫌で、食事を心から楽しんでいるように見えた。
< 247 / 431 >

この作品をシェア

pagetop