魅惑のヴァンパイア
もっと一緒にいたい。


もっともっと、色んなことを語り合いたい。


私達はまだ……お互いのことを殆ど知らなかった。


ただ、身体だけの関係だった。それでも好きだった。


これから、もっともっと好きになっていくはずなのに。


せっかく互いの気持ちを知れたのに。


どうして私達は、いつもすれ違ってばかりなのだろう。


 ヴラド……ねぇヴラド……。


 好きなんて言葉じゃ足りないくらい、愛してる。


「じゃあ……行ってくる」


 初めて、玄関先まで出て、ヴラドを見送った。


 今までは、気付いたらいなくなっていたから。
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