魅惑のヴァンパイア
ルビーの命
「自分と同じ顔が目の前にいるのは、なんとも居心地の悪いものだな」
閉め切られた王の寝室に、三人の男が立っていた。
蝋燭に照らされた彼らの表情は、固く険しいものだった。
見詰め合う同じ顔。
背丈も端整な顔立ちも全てが一緒で、まるで鏡を見ているようだった。
ただ、一人はどことなくソワソワとしており、一人は威風堂々とした風格を携えていた。
目鼻立ちは寸分の狂いもないはずなのに、内側から溢れる自信とオーラは全く別の人物だと判別できる。