魅惑のヴァンパイア
「でしたら私がどれ程願っているか分かるはずです! どのような思いでここに来たのか!」


『確かに、並の精神ではわらわに逢うまでに命を落としているであろう。死界に来るなど正気のさたではない。お主はわらわと王の子の子孫。見れば見る程、王によく似ておる。特にその蒼い瞳が……』


 死界の女神は愛おしそうにヴラドを見つめた。


 まるで恋人や、自分の子供を見るように……。


 ヴラドは前のめりになって「では、死の呪いを解いてくださるのですね!」と言った。


 すると、死界の女神は不気味に笑った。


『解いてやってもいい。だが、わらわは命と引き換えに子を宿す権利を得た。




……お主はわらわに何を差し出す?』
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