魅惑のヴァンパイア
「危機一髪とはこのことですね。お怪我はありませんか? 姫」


額にさりげなくかかった金色の髪。


彫の深い目尻にスラっと伸びた高い鼻。


自信ありげに微笑む顔は、ヴラドと重なって見えた。


「あ……あなたは?」


「申し遅れました。私は闇の結社の司令官、ラシードと申します」


 黒いマントを翻し、恭しく礼をした。


 なんとなく雰囲気がヴラドに似ていると思ったけど、ヴラドはたとえ礼をしたとしても偉そうだけど、この人物からは威圧感は感じなかった。


 いたる所で小さな竜巻が起き、そこからヴァンパイアやコクーン達が出現した。
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