魅惑のヴァンパイア
 バドは、私の前に立ち、槍や火の粉が飛んできても平気なように小さなバリアを作ってくれた。


そして闇の結社と名乗る者達とピーターは、数十倍……いや数百倍はいる軍隊の群れに果敢にも挑んでいった。


 空が赤茶色に染まり、うねりをあげていた。


 飛び交う炎があちらこちらで見られ、どんな一撃を与えても兵士達はすぐに隊列を直し乱れない。


 広大な大河に大きな石を投げたって、水の流れは止まらない……まさにそんな状況だった。


 ラシードが空に飛び、黒騎士団達を抑えこもうとしていた。


 その隙にピーター率いるヴァンパイア達はなんとか逃げ場を作ろうと炎や風、または水を操って兵士達の隊列を乱そうと戦っていた。


 大きな体を持つコクーン達は石斧を使って、兵士達に真正面から挑んでいた。
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