魅惑のヴァンパイア
そして、数刻前届いた訃報。


王妃の自殺。 


あの爆発で、逃げ遅れた王妃は、顔に大火傷を負い、それを苦に自殺した。


このことを知ったピーターは、「王宮の様子を見てくる」と言って帰ってしまった。


 最初の頃は、コミュニティに住む女の子達をナンパして楽しんでいたようだが、何もない田舎暮らしは性に合わないのだろう。


帰る機会を窺っていたので、ピーターにとってはまたとないきっかけだった。


 これは吉兆の前触れなのか。


 何かが起ころうとしている風の流れを感じていた――
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