魅惑のヴァンパイア
* * *
背後に、殺気めいた気配を感じた。
ヴラドは鞘から剣を抜くと、振り向きざまに、剣を斜めに振り落とした。
何かが切れる重い感触がしたと思ったら、ガラスに爪を立てた時のような「キィィィ」という悲鳴のような声がして、不気味な気配は煙のように消えていった。
……またか。
ヴラドは、何事もなかったかのように、剣を鞘に仕舞った。
死界の女神と別れてから、また闇の世界に戻り、天界に通じる光の道を見つけて、魂が流れる方向と逆の方向に歩いていけば、自分の帰りたい場所に戻れると言われたのに、どうやら誤った道を歩いてしまっているらしい。
光の道らしき光の流れを見つけた時、突然不穏な気配に包まれ、闇から現れた、液体のような固体のような不気味な何かに飲み込まれ、気が付いたら深いねっとりとした闇の世界にいた。
ここは今までいた世界とは異なり、何かが住んでいるようだった。
ここは死界なので、生き物ではないはずだから、悪霊か怨霊の類かと推察している。
しかし、余りに闇が深すぎて、実体が見えないから何ともいえない。
背後に、殺気めいた気配を感じた。
ヴラドは鞘から剣を抜くと、振り向きざまに、剣を斜めに振り落とした。
何かが切れる重い感触がしたと思ったら、ガラスに爪を立てた時のような「キィィィ」という悲鳴のような声がして、不気味な気配は煙のように消えていった。
……またか。
ヴラドは、何事もなかったかのように、剣を鞘に仕舞った。
死界の女神と別れてから、また闇の世界に戻り、天界に通じる光の道を見つけて、魂が流れる方向と逆の方向に歩いていけば、自分の帰りたい場所に戻れると言われたのに、どうやら誤った道を歩いてしまっているらしい。
光の道らしき光の流れを見つけた時、突然不穏な気配に包まれ、闇から現れた、液体のような固体のような不気味な何かに飲み込まれ、気が付いたら深いねっとりとした闇の世界にいた。
ここは今までいた世界とは異なり、何かが住んでいるようだった。
ここは死界なので、生き物ではないはずだから、悪霊か怨霊の類かと推察している。
しかし、余りに闇が深すぎて、実体が見えないから何ともいえない。