魅惑のヴァンパイア
「いくぞ! よぉく見てろよ?」


「う、うんっ!」


 怜央がおもちゃの空気ボールに両手をかざし、力を込めると、ボールがふわっと数十センチ持ち上がった。


「すごい! まじっく!?」


 茜ちゃんはクリクリの大きな瞳を輝かせた。


「ちがっ! バカ! これは超能力っていうんだ」


「チョウノウリョク?」


「特別な人間にしかできない力なんだ」


 怜央は得意気に、胸を大きく張った


「すごぉ~い! れお君は、トクベツなニンゲンなんだね!」


「どうだ、惚れ直したか?」


「うんっ! れお君だいすきっ!」


 怜央はまんざらでもなさそうな笑みを浮かべて、「あかねがこのまま大きくなってキレイになったら、俺の嫁にしてやる」と言った。


 よ、嫁っ!??
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