魅惑のヴァンパイア
「ほんとう!? うれしい! あかね、キレイになるっ!」


「胸もおっきくなってスタイルも良くならなきゃいけないんだぞ?」


「おっぱい? あかね大きくなるかなぁ?」


 茜ちゃんは、心配そうに平らな自分の胸を見つめた。


「大丈夫だ。俺がもんでおっきくしてやる」


「わぁい! ありがとう!」


 こ、この……マセガキがっ!


 文句を言おうと出ていこうとした途端、ヴラドに抱えられて、怜央達から遠く離されてしまった。


「ちょっとヴラド! 今の聞いてたでしょ!? 父親として何か言うことはないの!?」


怒ってヴラドを見ると、


「何を? 素直で賢い子に育っているじゃないか」


「まだ5歳なのに、嫁にするからキレイになれとか、俺がおっぱい揉んで大きくしてやるとか言っているのよ!?」


「実に合理的な考えだ」


「はぁ!? 怜央は男の子だからいいとして、茜ちゃんはよそ様の大事な娘なんだよ!? このままじゃ純真無垢で可愛い茜ちゃんが、怜央の口車に乗せられて食べられちゃうかも……」
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