魅惑のヴァンパイア
「魔界に、戻りたい?」


 ヴラドはゆっくりと私の方に振り向くと、「まだ人間界で遊んでいたいかな」と笑った。


「人間界って遊びなの!?」


 ヴラドは小刻みに震えてきた私を抱きしめると、


「魔界に戻ったら大変だぞ~。こんなにゆっくりしてられないからな」


 言葉とは裏腹に、少し嬉しそうに言った。


「そうなんだ。確かに大変そう」


「魔界に戻るの……嫌か?」


「ううん。家族と一緒にいたいもん」


「魔界に行ったら、ヴァンパイアにならないといけないんだぞ?」


「うん。いっぱい生きられて得しちゃうね!」


 笑って言うと、ヴラドは力強く私を抱きしめた。
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