魅惑のヴァンパイア
「ご主人様は、あなたをペットとして飼うつもりらしいです」


バドが私の気持ちを読んだかのように教えてくれた。


「……ペット?」


やっぱりそこに行き着くのか。


ペットに自由はあるのだろうか? 


ペットに人権は? 


人として扱われていないのだから、あるわけないか……。


未来が闇色に染まった。


「そうそう、シャオン様のご両親について聞かれるかと思って、人間界の新聞を持ってきていたのですが……。一応渡しておきますね。暇な時にでもどうぞ」


俯き落ち込んでいる私に、バドは新聞を手渡した。


そして、微笑みながら会釈し、部屋を出て行った。


笑うと、細い目が一層細くなる。


それでも素敵だと思うのは、ヴァンパイアが人並み外れた美しさを持っているからだろうか。
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