魅惑のヴァンパイア
従業員が持ってきたドレスは、艶やかな白磁色をした、豪華で大きなドレスだった。


スカートの部分に一枚一枚羽がついていて、散ばったクリスタルやラインストーンがキラキラと輝いていた。


「わぁ、素敵……」


コルセットを着て、ドレスを試着してみるとふわふわの羽毛が、まるで妖精のように可愛らしさを演出してくれていた。


その華やかさは、まるでウェディングドレスのようだった。


「派手すぎないでしょうか?」


「ご心配なら、ヴラド様に見てもらいましょうか?」


頷いて試着室を出ると、ソファに座って紅茶を飲んでいたヴラドの手が止まった。


「どう……かな?」


なんだか恥ずかしくて、ヴラドの顔がまともに見れない。


「……素晴らしい」


ヴラドは一言そう言った。


途端に顔がゆでタコみたいに真っ赤になって俯いてしまった。


従業員の女性達も、満足気に私を見た。
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