魅惑のヴァンパイア
外で待っていたバドが、私の姿を見て息を飲んだ。


そんな反応をされたら余計に恥ずかしくなってしまう。


Uターンして、お店に戻って化粧を全部落としてしまいたくなった。


「大丈夫だ、シャオン。お前は美しい。もっと自信を持て」


まるで、私の心を読んだように、気持ちを分かってくれる。


そんな優しさに、また胸がきゅっと締め付けられた。


「申し訳ございません。余りに綺麗だったもので」


バドはほんのり頬を染めて、慌てて頭を下げた。


本当に大丈夫? おかしくない?


しつこく何度も聞きたくなる言葉を、再びゴクンと飲み込んで、馬車に乗り込んだ。


馬車の中は、ドレスで満たされ行きより狭くなった。


けれどヴラドは、窮屈そうな顔一つせず、むしろ行きよりもご機嫌で、私の腰にずっと手をまわしていた。


――そんな仕草が、とても嬉しかった。


『俺の女だ』と言われているような気がして……。
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