汚いエッセイ
二人が出会ったころ、そのワインは造られた。

それから熟成がはじまる。


二人は別々の道を歩き、離ればなれにもなり、別の異性と交際もしただろう。

そうして人は成長し、昔と変わっていくものだ。


そして、あのワインは同じ場所で眠り続け、味わいを深くする。


ある日、二人はそのワインを開け、お互いのこれまでをふりかえる。

幸せ、不幸せ。いろいろあった。

また再会し、同い年のワインを酌み交わす。


そうして二人は、よりを戻したらしい。
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