捕食者の季節
(2)違和感
『ほう…』
明瞭な言葉ではなかった
渡辺は壁に向かって歩いていき
幾つかスイッチをいれた
ステンレス台に
複数の光源から照明があたる
『坂本は書類頼む』
松下が肩越しに坂本刑事に支持をする
マスク越しでも
相当な腐臭が鼻孔にささるが気にせず覗きこんだ
『変わった場所やな』
渡辺検視官が言いたいことはすぐ分かった
自分も北川も同じことを感じたからだ
『腕が付いとる?』
『ん…だいたい死体はこういう場所では切断せんからな』
『切り口(切断した道具)はなんですやろ?』
『分からん』
『は?』
『分からんなあ』
渡辺検視官は、やや困惑した表情で
ノギスを細く調節しながら
手首の切断面にあてては
何かファイルに記入していた
明瞭な言葉ではなかった
渡辺は壁に向かって歩いていき
幾つかスイッチをいれた
ステンレス台に
複数の光源から照明があたる
『坂本は書類頼む』
松下が肩越しに坂本刑事に支持をする
マスク越しでも
相当な腐臭が鼻孔にささるが気にせず覗きこんだ
『変わった場所やな』
渡辺検視官が言いたいことはすぐ分かった
自分も北川も同じことを感じたからだ
『腕が付いとる?』
『ん…だいたい死体はこういう場所では切断せんからな』
『切り口(切断した道具)はなんですやろ?』
『分からん』
『は?』
『分からんなあ』
渡辺検視官は、やや困惑した表情で
ノギスを細く調節しながら
手首の切断面にあてては
何かファイルに記入していた