捕食者の季節
Ⅱ【接点】
(1)バスボ―ト
大浦漁港というのは『漁港』とはいうものの
実のところ
何もない
せいぜい船着き場といったところだった。
無論
普段は人影もまばらである。
しかし
北川と松下が現場に到着した時は様子が違った。
滅多に見ない
消防車が二台、救急車が一台
それぞれ赤色回転燈を点灯させながら停っている
そのため
平穏な日常に慣れている
地元の人間達が自然と周囲に群がっていた。
余りに『事』が起こらない
その一種の退屈さが彼等を野次馬にするのだろう。
『あれかいな』
先に車を下りたのは松下だった
エンジンはかけっ放し
まるで
自販機で缶コーヒーを買うような素軽さにも見えた。
もっとも
犯罪現場に"あるべき"独特の『気配』はまるでなかった
北川も
『やっぱりただの事故か』
そう感じながら車を下りた
実のところ
何もない
せいぜい船着き場といったところだった。
無論
普段は人影もまばらである。
しかし
北川と松下が現場に到着した時は様子が違った。
滅多に見ない
消防車が二台、救急車が一台
それぞれ赤色回転燈を点灯させながら停っている
そのため
平穏な日常に慣れている
地元の人間達が自然と周囲に群がっていた。
余りに『事』が起こらない
その一種の退屈さが彼等を野次馬にするのだろう。
『あれかいな』
先に車を下りたのは松下だった
エンジンはかけっ放し
まるで
自販機で缶コーヒーを買うような素軽さにも見えた。
もっとも
犯罪現場に"あるべき"独特の『気配』はまるでなかった
北川も
『やっぱりただの事故か』
そう感じながら車を下りた