捕食者の季節
『せやけど』

松下警部補は、先程の歪んだセブンスターを灰皿からつまみ上げた

折れていなかったのを幸いに
松下は口にくわえた

北川は椅子に座って黙ってCCD画像写真を睨んでいる


『分からんのは、この殺しやっとる犯人の居場所ですなあ』

―そう、分からないのはそこだ
北川も同じことを考えている

『県警本部の資料は南湖近辺のブツですからね』

『ですなあ。殺人やりながら県内全域を移動し続けるっちゅうのは…』

―どう考えても妙な話だと北川も思う

『しかも松下さん、殺害現場が…』

『全部、湖上もしくは水際ばっかりですやろ』

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