宇宙ネコ
【1】崩壊してゆく世界
天井の明かりが消え、重苦しい地鳴りが遠くから聞こえ出すと、やがて地面の下を何かが這っていくかの様な不快感の振動がやって来る。
不快な振動は、地面から柱に、そして屋根へと伝わり天井へとずるずると上がって行った。

窓からさし込んだ月明かりに照らされ、不安そうな顔で天井の方をみあげる宇宙ネコのココロの様子が見える。
そんなココロをボクは愛しく抱きしめた。

この異様な音が聞こえはじめてから、もう一ヶ月程になる。

ラジオ放送によると、世界的に起こっている異常現象で、イレギュラーな地殻変動による磁力の乱れが原因らしい。
しかし、火山活動の予兆などは見られないそうだ。
この重い音と不快感な振動は、地面の下を通過するといつもすぐにおさまる。

まぁ・・今日もやがて明かりが点くだろう。

ボクは窓を大きく開け、大きな青白い月がよく見える窓越しに座ると、青く美しい六弦を奏でた。

月明かりに照らされると、青い六弦とココロはうっすらと輝いて見えてどことなく幻想的に思えた。

ずっとずっとこのまま一緒に居れたら…、いや、何があろうとも一緒に居るとボクは不安をかき消す様に願った。
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