宇宙ネコ
ボクは三角博士に今後の計画について聞いてみた。
実験が成功したなら次の段階に移行するはずだからだ。

「今後の計画はもちろん進行中だよ
電子ブレインの数も、もっともっと増やさなくてはいけない」

ただし、まだ未解決の部分もあるらしい。
それはこの次元を安定させる為、別次元にアンカーと呼ばれる存在を打ち込まないといけないそうだ。
その実験がまだであり、理論的にも一番難しいものらしい。

ボクが実験に興味を示した事を伝えると、特別に次回の実験に立ち合う事が許された。
これらは、ボクがあそこから派遣されていなければ、きっとかなわなかった事なのだろうな。



──その夜──

今日もあの地を這う様な不快な振動がやって来る。
不快な振動は夜にしかやって来ない。
そして、不快な振動がやって来る直前には、全ての明りが落とされる為に街は真っ暗になる。
ココロはその闇をとても不安がった。

「大丈夫だよ、こんな時はね」

ボクは暗闇の中、隙間から薄明かりの漏れる窓を探って開けた。

『わぁ~!星がいっぱいなの!』

暗い街のその空には普段は見ることの出来ない、たくさんの星明かりが瞬いていた。
その時ボク達の視線の先に、丁度流れ星が横切った。

「流れ星み~つけた!」

『あッ…!間に合わなかったの!』

「願い事?」

『うん』


──星に願いを──

『あッ!また光った!』

そう言ってココロが空を指差した。

「本当だ!
今のはきれいだったなぁ」

ココロを見ると、両手を口の前にそろえて笑っていた。

「ん?間に合った?」

『うん!』

「何てお願いしたの?」

『うんとね
あなたとずっと一緒にいられますようにって』

「あ!ボクと同じだ」

そう言うと、ココロはにっこりと微笑んでくれた。
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