宇宙ネコ
分かり切った事だったけど、ボクにとっては貴重な「気持ちを確認する手段」だった。

ボクは星明かりに照らされ、ぼんやりと輝るコバルトの六弦に気が付いた。

コバルトとは、六弦のネックの先にそう書いてあった為、最近になってそう呼ぶことにした。
それがこの楽器の名前なのか、メーカーの名前かはわからない。

このコバルトは不思議な楽器だ、ココロと出会った頃に偶然手に入れたもので、今まで見たこともない青く美しいなりをしていた。
それより不思議だったのは、楽器を手にした事がないボクが、奏でる事が出来た事だ。

ボクがやさしくコバルトを奏でると、ココロはそれに応えて歌ってくれた。


あぁ、ずっとこのまま一緒にいれるといいな。


──どうしてだろう──


ずっと居られるはずなのに、そう思ってしまうのは。
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