宇宙ネコ
実は電子ブレインについて、三角楽は何の資料も設計図も作成していなかった。
この実験のサポートが公に許可されたのは、性能実験の成績書だけは提出された為と、三角楽のそれまでの実績と、強い要望によるものだった。

三角楽は電子ブレインに封印を施し、解析される事への対策もしているらしい。
無理に箱を開けると電子ブレインの能力を失うと言うものだ。
そのせいで、箱の制作もメンテナンスを行えるのも三角楽のみに限られていた。

もちろんこの卓越した能力を世界が放っておく訳もなく、様々な条件を提示されたのだが、いまだ試験中と言うことや様々な理由により断っていた。

「うーん…」

赤い電子ブレインとタイプライターで会話をしていた三角楽がうなった。

暫くの後、またタイプライターを打つ、このやり取りが延々続く。

「ほぉ~」

三角楽はいつもこの様に唸ったり感心したり、時には笑い声を上げてこの日々の日課の一時を楽しんでいる。

こうして三角楽の1日はしめくくられるのだった。
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