宇宙ネコ
──この世界には何らかの神がいる──


科学者である三角博士からの発言としては信じがたい言葉だった。
しかし、その言葉に諦めた感じはなく、結論を見いだしたかの自信が感じられた。

ひょっとすると、三角博士は「神」と言う記号を使って「計算式か何か」を組み立てているのかもしれない。

雨が降るのは雨雲の上で鬼が水をまいてるから、と言うのと同じなのかな?
実際には雨雲の上に鬼がいる訳じゃないし、雨が降る条件が揃ったから降って来てるはずだ。
きっと「何らかの神」も説明のつくものに置き換えられるかもしれない。

ならば、三角楽の言う「何らかの神」とは一体何の事を指しているのだろう。

『神様って
高~いお空の上にいるんだよね?』

ボクが考え事をしていると、宇宙ネコのココロが耳をくりんと回して言った。

ココロには人の考えてる事がわかる不思議な能力がある。
その為、ボクが何か考え事をしているとこんな風に応えてくる。

ココロにとっては話し掛けられてるのと同じ事なのかもしれないけど。

『凄く面白そうな話なの
わたしもっと聞きたいなぁ』

首をかしげて言うこの仕草がボクは大好きだった。

ココロは青く美しい色をしていて、月明かりを浴びるとは淡く輝いてみえる。
だから停電になった時、窓を開けて最初に見えるのは、いつもココロだった。

あぁ、もう1つ見えるものがあったっけ。
それがこのコバルトの六弦だ、ボクしか奏でる事が出来ない青く美しい不思議な楽器。

ボクはココロとコバルトって、どことなく似ているなと思った。

話がそれてしまったけど、ボクは「何らかの神」の話に凄く興味をひいた。
超常の現象ならここにもう起こっているんだ、更に神がいてもボクは不思議とは思わない。

そうだ、ココロを三角博士に会わせてみよう。
神がなんたるかが解るのなら、ココロの事も解るはずだ。

『ふむー?』

そのココロは首をかしげていた。
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