宇宙ネコ
箱達の作り出したランプの映像には、知らない人物が映し出されていた。
ボクには誰かわからないけど、三角博士にはわかるだろうか?

こういう演出までする電子ブレインに、ボクは1つの自立した意思がある様に見えた。

「電子ブレインってまるで生きてるみたいですよね」

「え?あぁ
生物の様に自立した思考を持っているからね
生きていると言って間違いないな」

「そうとしたら
この部屋には大勢いる事になりますね」

『ふむー?』

「よし!
それじゃ始めようかね
ココロくんいいかい?」

おかしな事を言ったかな?
ココロも首を傾げていたし、三角博士にも流されたらしい。

すぐにココロと電子ブレインとの対話が始まった。
電子ブレインが導き出した「適切な質問」に、ココロが答えると言うのだけど、機械から質問が出てくるのは驚きだ。

残念な事に質問の内容はよくわからなかった、電子ブレインの思考をココロが読み取って答えているからだ。
さすがに「うん」とか「違うよ」とかじゃ、何を聞かれてるか分からないや。

すっかり取り残されたボクに、三角博士は紅茶を入れてくれた。
三角博士の紅茶は更に甘く、やわらかい香りがした。


小一時間やり取りが続いた後、電子ブレインによるココロへの質問が終わった。

代わりに三角博士は電子ブレインの前に座り、タイプライターを叩いていた。
小気味よい音が辺りに響いている。

ともかくこれで、ココロもティータイムを取れる。
< 21 / 23 >

この作品をシェア

pagetop