宇宙ネコ
「お疲れ~!
どうだった?」

『うふふふふふー
と~ッ…ても面白かったの!』

ココロは両手をバンザイの形に上げ、笑顔で楽しさを表現して見せた。

「箱さん達の質問ってさ
いっぱいいるから大変だったんじゃない?」

『ん~ん?
赤い箱さんだけだよ?』

「そっかー
なら同時にわいわい聞かれたりはしないね」

『だって赤い箱さんしかいないのよ?』

「黒い箱さんは黙ってたの?」

『んーと
黒い箱さんもみんな同じみたいなのよ?』

「同じ?……あ!」

『そーなのーッ!』

ボクが理解した事は当たっているみたいだ。
電子ブレインはたくさんあるけど、意志を持つのはリーダーである赤い箱だけなのだろう。
確かにたくさんある電子ブレインが、それぞれ意見を言うのではなかなか考えがまとまらなそうだ。

あれ?

これって…実はすっごく機密事項なんじゃない?

だって電子ブレインって世界中が欲しがってるものらしいし、知っちゃってていいのかな?
もちろん、ここで仕入れた情報は口外するつもりがないけれど。

赤い電子ブレインの事をボクは考えた。
意志を持つことが出来たのが赤い箱1つだけなら、電子ブレインを外部に分けてあげる事は出来ない。
ならば、それを理由に断る事も出来そうだけど。

意図的に意思を持たせたのが1つだけって事も考えられるし。

それにしても、ボクが気になってるのは最初のあれだ。

「ねぇココロ
さっき挨拶で赤い箱の名前を呼んでた様に聞こえたんだけど
何て呼んでたの?」

『んー?
わたしが呼んでたの?』

ココロは首をかしげた。
あれ?ただの聞き違いだったのかな?
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