意地悪な先生に恋
先生の低くて良く通る声は、私の脳にすんなり入ってくる。
私の一番、好きな声。
一度聞いたら忘れない。
数学が苦手だった私が、
これだけできるようになったのは先生のおかげでもあるんだよ。
「明日って…土曜日だっけ?」
先生が手を止めて私に聞く。
明日は先生の誕生日前の最後の週末。
「うん。明日は土曜日だね。」
「…どっか行く?」
…………………?
「いいの?」
「…うちの生徒とか会わないようなとこで良かったら。」
「嬉しい!先生と一緒ならどこでもいい!」
心からそう思うんだ。
興奮する私に
「分かった分かった。」
って優しく笑った。
先生のその笑顔、好き。