意地悪な先生に恋
ありがとうって言った礼に、俺は照れ隠しで話を変えた。
礼がバイトをしていた事。
宮本から聞いたんだけど、一週間だけって言ってたし。
そこも気になる所。
俺を見つめながら
『先生、ごめんね…隠してて』
と言う礼に、俺は礼を責められない。
それに、理由を聞いて俺はもっと礼を好きになる。
一週間後にある俺の誕生日の為に礼は慣れないバイトをしていた。
礼の愛情がすごく伝わってきて目頭が熱くなった。
礼は…こんなにも人の為に自分を犠牲にできる子だったんだな。
俺は礼が居るだけで十分なのに。
弱い所を見せまいと、下を向いて涙を流す俺に
『先生、泣かないで…』
って、俺の頭を撫でた。