意地悪な先生に恋

前日



先生の誕生日前日
私は無事退院した。






「皆様には大変ご迷惑をおかけしました!」



私の改まった挨拶に、お父さんもお母さんも目が点になっていた。




「なに?礼らしくないわね。」



優しく微笑むお母さん。



「あ、そうそう。はい、これ。」





渡されたのは茶色い封筒。





「くるみさんって方が礼に、って。」





何かな…






封筒の中を見ると、大金が入っていた。





「お金??」



「礼が頑張った分のお給料ですって…」





初めて自分の力で稼いだお金に感動した。





こういう時、早く先生にこの気持ち伝えたいって思うんだ。




先生はきっと、良かったねって言って優しく笑ってくれるはず。






< 197 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop