意地悪な先生に恋
すれ違い
走った先にある先生の部屋。
呼吸を整えてノックするのが癖になってた。
でも、今日は違った…
先生の声が聞こえたから。
私が今してる事って、盗み聞きなんじゃないかな…
でも、体が動いてくれなかった。
『あ、ゆり?俺…うん。さっき電話しただろ?…あぁそうか。…うん、好きだよ。分かった。今日家寄るから。…じゃあな。』
「…………グスンッ…っ」
先生今…“ゆり”って言う人の事、好きって、言った?
どうして…
なんで…
私は不安で不安で涙が止まらなかった。
先生は、そのゆりって人の事…好きなの?
この前言ってくれた、
『礼だけだよ。』
って言う言葉、信じてるんだよ?
嫌だよ…先生…
離れて行かないでよぉ…