意地悪な先生に恋
「ちょっと家電話するな。」
そう言って先生はあんまり車の通らない道に車を止めた。
「あ、お袋?俺俺、おう。もう着くから。よろしく。分かってるって!伝えるから。あぁ…じゃあな。」
先生は電話を切った。
「礼に、緊張しないでねってさ。」
「…優しいお母さんだね。」
「そうかぁ?」
うん。絶対、優しい家庭なんだろうなぁ。
先生の優しさもそこから生まれた。
「先生、ありがとう。連れて来てくれて。」
「何言ってんだよ。当たり前だよ。…礼が、最後の恋人だから家族に紹介すんのは当然なの!」
分かったか?
って笑う先生も、私をドキっとさせる。