HABIT
それは去年の秋のこと。
なかなか志望校が決まらなくて、困っているときにその人は現れた。
ここの高校に入ろうと思ったのも、その人にもう一度会いたかったから。
家へ帰ろうと電車に乗ると、
その人はイスに座り腕を組み、目を瞑っていた。
私はその人の前に立つ。
ふわふわの金髪に
青縁の眼鏡。
とても綺麗な顔の男の子だった。
そこでまた、私の悪い癖が出てしまった。
無意識にのびた手は、その人の前髪に触れた。
「なに?」
その人は目を開き、私を見た。
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