君と歩いていく
「きゃっ!」
「絢?どうしたの?」
あたしの声に驚いて
佑香が飛んできた。
あたしの手からは血が出ていた。
「やだ・・・どうしたの?」
「ユニフォームを出そうとしたんだけど・・・」
ユニフォームを洗濯機から出そうと手を入れたときに
あたしの手に激痛が走った。
「これ・・・・」
佑香は洗濯機の中から大量の画鋲を見つけた。
ユニフォームは破れてないから
洗い終わってから入れられたんだ。
「誰がこんなこと・・・・」
「絢。手、大丈夫?保健室行ったほうが・・・」
「大丈夫だよ!こんなのたいしたことない。」
あたしは笑いながら手を洗いに行った。
その場から逃げるようにして・・・・
理解できなかった。
今日はあたしがユニフォームを干す日。
誰がこんなこと・・・
でもあたしでよかった。
傷ついたのがあたしだけでよかった。
そんな思いは間違いだって
気づくのはまだ先だった・・・・