大好きだった先輩
「潤先輩かっこいいよね」
「私今度話し掛けてみようかな?」
教室中の女の子が
好き勝手に話している。
ライバルは多いと嫌でも
気付かされた。
私が潤に恋をしたことは
まだ親友の笑梨にしか
話していない。
笑梨はお得意の笑顔で
---頑張りな
と言ってくれた。
私の親友は笑梨ひとり
だけど友達はもっと
たくさんいるもので
移動教室などはたいてい
5、6人で移動していた。
「次なんの授業?」
「美術だよ」
まわりはいつもと同じ
ように平凡な会話をしている。
何も変わらない。
変わったのは私だけ。
美術室で話していると
突然後ろから3人の女子が勢いよく会話に入ってきた。
「ねねねねっ聞いてよ。私潤先輩に話掛けられちゃった。」
一瞬まわりの空気が
止まる。
次の瞬間女子達の質問が
矢のように飛びかう。
「っえ?どうして?」
「うらやましい」
「なんて言われたの?」
いろんな質問が飛びかう
中、彼女は冷静につい
さっき起きたことを
ゆっくりとそして細かく
話してくれた。