大好きだった先輩


「華恋の彼氏ねぇ1こ上の先輩なんだ〜」


1こ上?…先輩…?
まさか潤先輩?

恐る恐る聞いてみた。
お願い違うよって否定して。

「へっへぇ、華恋の彼氏って名前なんてゆうの?」

「山本航多って言うんだ。知ってる?」

「よかった――ってぇえ?!」

私が驚くのも無理はない。山本航多って言ったら
潤先輩並みの有名人。

潤先輩並みのルックス。
潤先輩並みの成績。
潤先輩並みの運動神経。
潤先輩以上の人気。

そしてなにより航多先輩
と潤先輩は親友と言うこと。


さすがは華恋。可愛いって特だなとつくづく思う。

この学校には3代イケメン
と言うものが存在する。

私たち後輩がいいと思う
先輩を投票した結果だ。

一人目は小林潤。
二人目は山本航多。
三人目は奥野翔輝。

そのうちの一人と
付き合っているんだから
華恋はとんだ強者だ。

「でもねぇ華恋、今航多と喧嘩中なんだ」

生意気に航多なんて
呼んじゃってさ。
何て思いながら華恋の話を聞く。

喧嘩の理由は激しく
どうでもいいものであった。

「それでねぇ華恋、仲直りしたいの。それで今から謝りに行こうと思うんだ。だからお願い明里!着いてきてくれない?」


「あぁーいいよー」

どうせこのあと何も
予定ないしさ。なんて
軽い気持ちで答えた。


ねぇ潤先輩。この時
私が行かなかったらよかった?

私たちこんなに悲しい思いしないですんだのかな?

あなたと出会えて幸せでした。

でもこんなに辛い結末が
待っているのなら

私たちは出会うべきでは
なかったのかな?

今でもあなたが大好きです。

知らなかったよ。
「好き」と伝えることが
出来ないと言うことは
こんなにも辛いことだなんて。




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