初恋*初彼
多分、こんなに覚えてる雨は
これっきりだと思う。
ある、6月の雨の凄くヒドい日。
今日もあたしは、虎のそばにいた。
「なぁ、友里ちやん??」
久しぶりに言葉を放った虎。
最近では、全くといっていいほど、口がきけなくなっていた。
だからビックリして
浮かれて、溢れ出す涙を止められなかった。
「何?!」
って、驚きながら
あたしが言うと、
「どしたのまた、泣いてる…
いつも俺のせいで泣かして、本当にごめん!!」