姫様とウサ耳はえた金髪童顔
「趣味って、姫が自分から選んだわけじゃ」
「違いますよ、私は白色が好きでこんな動きにくい格好は嫌なのですが……。この世界を創造した輩がいましてね。
彼女の思い通りたる世界構築は私にこんな役柄を与えました。クロスのウサ耳だって、そのせいですよ」
姫に言われて、慌てて自分のウサ耳を隠す男。
「ひ、姫誤解ですっ。俺は好きでこんな耳つけているんじゃないんで。見ないで下さい、こんな姿っ。ああもう、ウサ耳なんか」
「待った待った、切ろうとしてはいけませんよ。シャレにならない流血シーンが生まれますから。それにクロス」
やんわりとした笑顔でクロスのウサ耳を撫でる白い手。
姫、とクロスが感涙に浸ろうと。
「なかなかに似合っているじゃないですか。萌えます」
浸らせてはくれなかった。