姫様とウサ耳はえた金髪童顔


「ミー」


出てきた白い影に一気に脱力した。


想像とはまったく違うもの。姫に襲いかかる不届き者と思ったが、そもそも者(人間)でもなかった。


「おやぁ、可愛らしい猫さんですね」


茂みから出てきた四本足の獣に姫は早速手を伸ばした。


しゃがみこんで、ちょいちょいと指を動かしその猫を誘う。


「ミー」


「まさか不思議の世界で、普通の猫に会うとはびっくりですねぇ。ほら、ちょいちょい」


「ミー」


「クロス、猫さんが剣怖いにゃーと言っております。剣をおさめて下さい」


「なんで猫の言っていることが分かるんですか……」


どっちにしても、猫に害はないとクロスは姫に言われた通りに剣を鞘におさめたわけだが。


「ミーっ」


白猫に襲われた。


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